光老化とは?肌の影響と対策について解説

更新日:2023.7.20

紫外線を直接顔に浴び続けると、そのダメージが蓄積し「光老化」と呼ばれる症状を引き起こします。突然起きるものではなく、長年光を浴びた結果として肌のコンディションが変化する症状です。

ここでは、光老化とはどのようなものなのか、特徴について詳しく紹介します。一般的な老化との違い、光老化の2つのパターンや対策方法も解説しますので、紫外線対策や光老化の予防をしっかりと行いたい方はぜひ参考にしてください。

光老化とは

光老化(ひかりろうか)とは、日光を肌に浴び続けることで起きるトラブルの総称です。肌のシミ・シワ・たるみはいずれも光老化の症状のひとつであり、複数の肌ダメージが重なると老化したように見えることから、「光(による)老化」と名付けられています。

老化という名前の通り、皮膚が歳をとったように変化してしまうのも光老化の特徴です。加齢で起きる老化は肌の奥の土台部分から弾力を失っていきますが、光老化は紫外線を浴びた部分が、部分的に老化したように変化するのです。

光老化は、紫外線を浴びた「時間」と、紫外線の「強さ」に比例するともいわれています。光老化が進むほど肌はくすみ、シワとたるみが目立つようになります。シミができやすい方は、紫外線を浴びた場所を中心にシミが大きく目立つようになります。

マスクを装着していても、直射日光によるダメージを防ぐことはできません。紫外線対策は日焼け止め(サンスクリーン)を塗り、UVカット効果のあるマスクや日傘を使ったり帽子をかぶったりすることで対策ができます。 

光に当たっている時間が長い人、強い直射日光にさらされる機会が多い人ほど光老化の可能性が高くなります。肌の老化の半分以上は光老化の影響があるともいわれているため、外出・屋外での作業・スポーツや散歩などを楽しむ際にはこまめに紫外線対策を行いましょう。

光老化によって引き起こされる肌のトラブル

光老化によって引き起こされる肌トラブルとしては以下があります。

1.シミやくすみ

紫外線によってメラニン色素が生成され、肌にシミやくすみが現れます。肌が黒ずんだように見える場合もあります。

2.シワやたるみ

紫外線は肌の弾力繊維を破壊し、肌がたるんだりシワができたりする原因となります。特に目元や口元などの細かいシワが目立つようになります。

3.乾燥

紫外線は肌の水分を奪い、肌を乾燥させます。乾燥が進むと肌のバリア機能が低下し、刺激やアレルギーなどにも弱くなります。

4.赤みや炎症

紫外線は肌の表面に炎症を引き起こし、肌が赤くなることがあります。また、敏感肌の人はさらに炎症が進み、かゆみや痛みを感じることがあります。

5.肌荒れやニキビ

紫外線によって肌のバリア機能が低下し、雑菌や汚れが肌に入り込みやすくなります。そのため、肌荒れやニキビが起こりやすくなります。

普通の老化との違い

光老化はあくまでも紫外線を浴びた場所を中心に日焼けが起き、その日焼けがもとで起きる老化のような現象です。一方、加齢による老化は年齢とともに顔から体まで全身の機能の減退が起こり、その減退に合わせて顔まわりのたるみや皮膚のくすみが現れてくるものです。

光老化は慢性的な紫外線障害であり、外から日光を浴びるとA紫外線(UVA)や近赤外線が肌の奥の真皮層まで到達します。土台として皮膚を支えているコラーゲンやエラスチンの層は、A紫外線・近赤外線の影響によって変性し、その結果土台が緩んでシワやたるみを生じます。

老化は、体の内部から始まります。骨密度の減少によって顔の骨が小さくなると、骨が痩せてきて顔が小さくなっていき、それに合わせて皮膚にも凹みが生じます。また、顔の土台を形成している筋肉にもたるみが生じ、脂肪や皮膚を支えきれずに下へ垂れていきます。

光老化は外からの影響による部分的な変化であり、加齢による老化は体の内部を含めた全体への変化です。

光老化は、直射日光に肌が当たらないように対策をすれば、肌への直接のダメージが防げます。しかし加齢による老化は自然現象であり、完全に防ぎきることはできません。このような違いも、光老化と加齢による老化の大きな違いといえるでしょう。

UVAとUVBの光老化の違い

光老化を引き起こす日光には、A紫外線(UVA)とB紫外線(UVB)が挙げられます。どちらも太陽光線に含まれる電磁波であり、光老化を引き起こすものです。

空から降り注ぐ紫外線には、A紫外線・B紫外線・C紫外線の3種類があります。そのうち、C紫外線はオゾン層でカットされ、A紫外線とB紫外線が地上に到達します。

A紫外線(UVA)は肌の深層部にまで届く電磁波です。急激な日焼けを引き起こすことはありませんが、じわじわと確実に肌へのダメージを蓄積させていく特徴があり、さらにB紫外線の20倍以上も地上へ降り注いでいることが近年の研究で判明しました。

B紫外線(UVB)は一般的にイメージされる太陽光線のイメージであり、肌に当たると赤みがさして日焼けの症状を引き起こします。肌を焼くほどの強いエネルギーを持っているため、皮膚がん・シミ・炎症の原因にもなります。

短い波長でありオゾン層や雲にカットされるため、降り注ぐ量はそれほど多くはありません。A紫外線と違い深部に届く心配もありませんが、肌に当たるとヒリヒリとした痛みや赤みを生じるため、光老化への対策とは別に肌へのダメージを防ぐ必要があります。

光老化を引き起こすのは、日焼けの原因であるB紫外線ではなく、あまり一般的に知られていないA紫外線ということがわかります。A紫外線は目に見える痛みや赤みを伴うものではないため、無害かと勘違いをされやすいものですが、長期的には光老化をもたらす危険な存在なのです。

光老化の対策

光老化の仕組みを押さえたあとは、具体的な対策方法もみていきましょう。通常の紫外線対策と合わせて、3つのポイントを詳しく紹介します。

光による老化を防ぎ、若々しい見た目をキープしたい方はぜひ参考にしてください。

日差しの強い時間帯の外出を避ける

日差しが強くなるのは太陽がもっとも高く昇る昼の12時です。その前後の時間も含め、日差しが強い時間帯には紫外線の影響がもっとも強く及ぶため、外出を控えるか、どうしても外出しなければならない場合は日陰や日差しを防げる工夫をして出かけると良いでしょう。

時間帯以外にも注意したいものが天気です。紫外線は晴れている日以外にも降り注いでおり、空のほぼすべてが雲に覆われていても、快晴時の約60%程度は紫外線が差し込んでいます。目に見えないぶん影響を軽く見てしまいがちですが、天気に関わらず外出時には紫外線対策を行いましょう

長袖の服や帽子、日傘を活用する

紫外線が肌に当たると、日焼け(炎症)によって肌の赤みや痛み、さらにはシミやシワの原因になります。紫外線による被害を防ぐために、以下のUV対策グッズを活用しましょう。

【UV対策グッズ】

  • ・帽子
  • ・サングラス
  • ・インナー
  • ・洋服
  • ・アームカバー
  • ・ネックカバー
  • ・タイツ
  • ・マスク
  • ・手袋
  • ・日傘

UVカット製品は、手軽に日差しを遮ることができる日傘のほかにも、直接身につけるインナーや洋服をはじめ、部分的に日差しを遮る手袋やアームカバーなどがあります。

インナーには下着以外にもキャミソール・シャツ・靴下などがあり、いずれもUVカット効果を与えたものが選べます。靴用のUVカットスプレーを吹き付ければ、足の甲まで紫外線をガードできます。

直射日光を避けたい場合や、日焼けをしたくないパーツは肌に日焼け止めを塗るだけではなく、UV対策アイテムをいくつか組み合わせると効果的です。

サンスクリーン剤(紫外線防止用化粧品)の使用

UV対策グッズと併用したいサンスクリーンアイテム(日焼け止め)。スプレータイプやクリームタイプなどさまざまな製品が揃っていますが、どの程度の効果が期待できるかは、「PA」と「SPF」の値からチェックできます。

紫外線には威力が強く肌の奥にある真皮まで到達する「A波」と、表皮に作用して日焼けを起こす「B波」に分けられます。

「PA」はA波をガードする強さを示す値で、+という記号で以下のように表されます。

【PAの記号の意味】

  • ・PA+:効果がある
  • ・PA++:効果がかなりある
  • ・PA+++:効果が非常にある
  • ・PA++++:効果が極めて高い

「SPF」は、紫外線B波の防御力を示す数値です。50を最高値としていますが、最高レベルをさらに超えるものもあります。数字は10刻みで表示されることが多く、数字が大きくなるほど炎天下での作業やアクティビティに向いています。

【SPFの記号の意味】

  • ・SPF10以下:PA+と同程度。日常生活に向いている
  • ・SPF10〜30:PA++と同程度。屋外活動に向いている
  • ・SPF30〜50:PA+++と同程度。炎天下の活動に向いている
  • ・SPF50以上:PA++++と同程度。紫外線の強い場所に向いている

海や山、その他の直射日光の当たる場所で何時間も過ごすときは、PA値とSPF値が低すぎると紫外線のカット効果が少ないため、値の高いものを選びましょう。

インナーや帽子などUV対策アイテムと組み合わせる場合でも、肌を守るサンスクリーンは数値が高いもののほうが安心です。

光老化に効果的なケア方法

光老化は、紫外線が当たり続けることで肌に現れる老化の症状です。加齢による老化とは異なり、体の内部からではなく外側、皮膚から老化の症状が現れてきます。

光老化を予防するためのケア方法としては、以下のポイントをチェックしてみてください。

【光老化に効果的なケア方法】

  • ・日焼け止めを正しく使う
  • ・日焼けや紫外線を予防する
  • ・体やお肌を休ませる
  • ・抗酸化力の高い食品を摂る
  • ・肌が老ける習慣を見直す

日焼け止めは、PA値・SPF値をチェックして、紫外線量に合うものを使用しましょう。水を使用する場所ではウォータープルーフタイプの日焼け止めを選ぶか、こまめに塗り直しを。

日焼け止めを塗っていても、完全に光をシャットアウトできるわけではありません。肌が太陽にさらされ続けると日焼けを起こしてしまい、肌にダメージが残ります。UV対策アイテムと日陰の環境を活用し、体やお肌を休ませましょう。

自宅に帰ってからはメイクや日焼け止めをきれいに落として、肌に負担がかからないように早めに休息をとりましょう。肌の新陳代謝を促すためにも、夜更かしを避けてたっぷりと就寝時間をとることをおすすめします。

ビタミンC・E・Aをはじめとする抗酸化力の高い栄養素の補給も、光老化の予防に役立ちます。カロテノイド・ポリフェノール・ミネラル類もバランス良く摂取し、抗酸化力を高めましょう。

喫煙は肌の老化を促進させるため、光老化を予防するときは減煙や禁煙を行いましょう。紙巻きや葉巻だけではなく、電子タバコも同様に体に負担をかけます。禁煙を続け、本数を減らしながら健康維持も意識していくと、アンチエイジングに効果が期待できます。

光老化による肌トラブルを改善する美容医療と美容エステ

光老化による肌トラブルを改善するためには、栄養の摂取や日焼け止めだけ以外にも医療やエステを活用する方法があります。ここからは、美容医療と美容エステを光老化の予防に役立てる方法をみていきましょう。

美容医療

1.フォトフェイシャル

顔に強い光を照射することで、肌表面の色素沈着やシワ、たるみなどのトラブルを改善する美容医療の施術です。痛みは少なく、短時間で効果を実感することができます。

角質層が蓄積すると、肌の代謝が滞り肌のくすみや老け顔の原因となります。ピーリングは薬品の力を使って肌表面に蓄積した角質を取り除くため、肌の代謝が物理的に促されます。ターンオーバーがうまくいかないときにもおすすめの施術です。

2.レーザー治療

レーザーを用いて、肌表面のシミやシワ、たるみなどのトラブルを改善する美容医療の施術です。施術時間や痛みの度合いは個人差がありますが、効果は高く、長期間持続することが特徴です。

光老化によって蓄積された肌ダメージは、ターンオーバーが正常に行われなければそのまま残存します。レーザー治療は物理的にトラブルを改善することが可能で、スキンケアやその他の方法では対処できない肌悩みにも対応できます。レーザー治療とスキンケア、医薬品を組み合わせた施術も効果が期待できます。

3.ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸を注入することで、肌に潤いを与え、シワやたるみを改善する美容医療の施術です。注入量や場所によって効果の持続期間は異なりますが、即効性があることが特徴です。

光老化によって肌の奥にあるコラーゲン・エラスチンの層がダメージを受けると、その部分は弾力を失いシワになっていきます。ヒアルロン酸は人体に親和性の高い成分を使っており、失われた弾力を取り戻して、ハリとツヤのあるお肌に仕上げることができます。

美容エステ

1.ピーリング

肌表面の古い角質を取り除くことで、肌のキメを整え、シミやシワを改善する美容エステの施術です。種類によって痛みがある場合がありますが、施術後の肌のツルツル感が特徴です。

美容皮膚科や皮膚科で行われる医療ピーリングとは異なり、エステのピーリングはリラクゼーションやスキンケアとして行われています。エステは医療機関ではないため、皮膚科で使う薬剤よりも濃度の薄い薬剤を使用しています。医療ピーリングでは肌がヒリヒリしてしまう、かえって肌トラブルになるという方でも受けやすい施術といえます。

2.美肌パック

肌に潤いを与え、ハリを出す効果がある美容エステの施術です。種類によっては、肌トラブルの改善にも効果があるものがあります。

エステサロンでは、念入りなスキンケア・ボディケアが可能です。自宅で使う市販の美肌パックよりも美容成分が豊富なものを使ったり、マッサージやその他の施術と美肌パックを組み合わせたりして効果を引き出す施術も一般的です。肌の悩みを相談しながら、肌タイプに合うパックを選びましょう。

3.エステ用ダーマペン

微細な針を使って皮膚に刺激を与え、肌の再生を促す美容器具です。ニキビ跡やシミなど、特定の部位に集中的に刺激を与えることができ痛みが少なく安全性が高いのが特徴です。使用後は肌のターンオーバーが促進され、肌トラブルの改善やハリ・ツヤ感のアップ、毛穴の改善などが期待できます。

ダーマペンは、紫外線の影響によってダメージを受けてしまったコラーゲン・エラスチンに働きかけるため、新たな層の生成を促すという仕組みです。ヒアルロン酸の注入が苦手・怖いといった方にもおすすめの施術です。

まとめ

今回は、光老化について解説しました。

光老化を防ぐためには、日焼け止めや帽子、サングラスなどのUVカットグッズの利用が効果的です。

また、食生活の改善や運動などの健康的な生活習慣の取り入れも重要となります。

さらに、美容医療や美容エステによる施術も光老化による肌トラブルの改善に効果があります。

光老化に対する対策は、若いうちから取り組むことが大切です。

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