光脱毛の仕組みと種類について徹底解説

更新日:2023.7.12

光脱毛とは、エステサロンや脱毛サロンで行われている脱毛の施術です。店舗で行われている脱毛方法は、レーザー(医療レーザー)・ニードル・光(フラッシュ)の3つに分けられますが、医療従事者が在籍していない店舗では光脱毛のみが許可されています。

この記事では、光脱毛の特徴について原理や毛周期との関係、詳しい光脱毛の種類を紹介しています。光脱毛を知るうえで押さえておきたいメリット・デメリットも紹介します。

光脱毛の特徴

光脱毛は、脱毛を促したい部位に光を照射して毛根組織に働きかけ、脱毛効果を与える施術です。レーザーやニードルよりも痛みが少なくダウンタイムもほぼ必要がないため、サロンの施術として人気があります。詳しい原理と毛周期の関係性をみていきましょう。

光脱毛の原理

光脱毛は、ハンドピースから光を放出して毛または毛根部分に作用させ、毛根の機能を減弱させる方法です。脱毛を促すために光を当てるという点で共通していますが、脱毛または抑制のプロセスは光の種類によって異なります。

光脱毛と毛周期の関係

人間の毛髪は成長の初期段階から成長期に向かい、成長期を過ぎると退行期と呼ばれる寿命を迎えます。退行期のあとは自然に脱毛し、休止期と呼ばれる期間を経て再び成長を開始します。この4つのサイクルは「毛周期(もうしゅうき)」と呼ばれています。

光脱毛で肌に当てられる光は、成長初期から成長期までの毛に作用します。この時期の毛はメラニン色素を豊富に含んでおり、根元の毛乳頭細胞ともつながっていて、光を当てるとエネルギーが毛乳頭にしっかりと届くため、脱毛効果が得られやすくなっています。

毛乳頭は光によってダメージを受けると、それ以上栄養を吸収できなくなります。栄養が摂れなければ毛の成長は止まり、自然に脱毛を起こします。

▼こちらの記事では、毛周期について解説しています。あわせてご覧ください。
毛周期を理解してムダ毛処理すればより効果的に脱毛が可能!

光脱毛の種類

光脱毛の施術では、IPL脱毛・SSCM脱毛®・SHR脱毛の3種類が主に行われています。それぞれの特徴とメリット・デメリットをみていきましょう。

「IPL脱毛」

IPL(Intense Pulsed Light:インテンスパルスライト)脱毛とは、黒い毛や黒っぽい毛に含まれるメラニン色素に反応させるため、キセノンランプを極短時間発光させて脱毛を行う方法です。

現在、エステサロンや脱毛サロン全体での施術件数が非常に多く、誰もが受けやすい光脱毛として広く知られています。当初は皮膚の治療に用いられていましたが、毛穴やむだ毛にもアプローチができることから、光脱毛にも採用されました。

IPL脱毛は、黒い毛ほど反応するため剛毛に対しての脱毛力が高いといわれています。効果を実感するのも比較的早く、さらに皮膚治療に用いられていた実績から、肌にできた黒ずみやシミへのアプローチも可能です。

メリット

IPL脱毛は光を拡散させながら脱毛を促す方法です。レーザーのように、強い光線が肌に当たり続けるリスクがなく、やけどや肌の炎症ダメージも少なく抑えられます。

1回あたりの脱毛が比較的短時間で終了することも特徴のひとつです。全身であれば、約90分ですべてを終えられます(詳細な目安時間には個人差があります)。肌へ照射しても色素沈着のような副作用が起きにくいため、脱毛と同時に美肌効果が期待できます。

デメリット

IPL脱毛のフラッシュはメラニン色素に反応するため、黒い毛以外にもシミ・ほくろ・そばかす・黒ずみに反応しやすく、人によっては毛以外の場所に痛みを感じる場合があります。

ほくろの個数が多い、照射したい部位がしっかり黒ずんでいる、色黒な肌の方はIPL脱毛が行えないといった制限が設けられている点もデメリットといえるでしょう。

「SSCM脱毛®」

SSCM(Smooth Skin Control Method:スムーススキンコントロールメソッド)脱毛はイタリアのDEKA社が開発した理論を元に登場した脱毛方法で、クリプトンライトを「フィリニーブ」と呼ばれる成分が含まれたジェルに照射することで、刺激や痛みを感じにくく制毛効果を得るというものです。

「クリプトン」とは空気中にも存在する希ガスであり、ライトとして使用するとエネルギーを最小限に抑えながら照射が行えるメリットがあります。フィリニーブを含んだジェルは、ライトの照射によって皮膚に溶け出し、ライトによって温められて、毛穴から奥へ浸透。毛の成長を抑える効果が期待できます。

>>> S.S.C脱毛とは?脱毛できる仕組みやメリット・デメリットを解説

メリット

SSCM脱毛は、従来の光脱毛のほどのエネルギーを必要としません。効率的であり、さらに一般的な除毛や脱毛施術に多くみられる痛みを伴わないため、痛みが苦手な方に適しています。

毛穴からは制毛成分が浸透していきますが、フィリニーブは肌に刺激の少ない植物由来の成分で、敏感な肌にも照射しやすくなっています。脱毛施術で余計な痛みを感じたくない、肌ケアもあわせて行いたい場合におすすめの施術です。

デメリット

IPL脱毛よりも低刺激なため、効果を実感できるまでにやや時間がかかるおそれがあります。医療レーザーのように、しっかりと毛根を破壊して毛を生えなくさせるものではないため、抑毛効果がどの程度現れるかには個人差があります。

痛みが少なく低刺激、スキンケアにも役立つため、手頃に行えるIPL脱毛よりも金額が高くなる場合があります。

「SHR脱毛」

SHR(Super Hair Removal:スーパーヘアーリムーバル)脱毛は「蓄熱式脱毛」とも呼ばれています。

脱毛を起こしたい部位に光を照射し、60度から70度程度の熱を毛包に蓄熱させます。この熱により、毛包のバルジ領域と呼ばれる発毛を促す部分にダメージを与えて、むだ毛を生えさせなくさせる仕組みです。

施術時に光を照射しますが、メラニン色素に反応するわけではないため産毛や色素の薄い毛にも適用が可能。毛根の奥に熱をしっかりと蓄えて、細い毛にも脱毛効果を与えます。

抑毛効果を与える脱毛方式のため、永久脱毛を行うものではありません。しかし肌色に関係なく照射が行えるため、肌トラブルが気になる方にも利用しやすい施術です。

メリット

色素の濃い・薄いに関わらず脱毛が行える点が、IPL脱毛やSSCM脱毛との大きな違いです。日焼けをしてしまった場合や、黒ずみが気になる部分にも痛みの有無を気にせず脱毛効果を与えられます。

抑毛を行った場合、1度ではっきりと効果が出るものではないため、繰り返し同じ部位に照射を続ける必要があります。肌トラブルが出ると照射が行えませんが、SHR脱毛は肌トラブルを起こしにくいため、繰り返しの施術にも向いています。

デメリット

SHRは毛根にダメージを直接与えるわけではないため、脱毛を促すというよりも抑毛効果を少しずつ与えていく方法です。そのため、SHR脱毛を実施しているサロンの数はあまり多くはありません。

脱毛の施術を受ける人の多くは、効果をすばやく実感したいというニーズをもっています。SHR脱毛は産毛にも照射ができますが、その場で「抑毛された」と実感しがたい点がデメリットといえます。

光脱毛のメリット・デメリット

光脱毛は、安価な施術から最新の施術までが揃っており、予算やメリットを踏まえていくつかの方法から選ぶことができます。施術範囲や料金の相場を含めて、メリットとデメリットをみていきましょう。

光脱毛の施術範囲

光脱毛は、傷・黒ずみ・ただれ・赤み・かゆみ・湿疹や吹き出物が発生している場所には基本的に照射できません。部位に関わらず、脱毛を望んでいない場所にも照射を行うことはできません。

サロンによって対応可能な範囲が異なりますが、光脱毛の施術が行われている体と顔まわりへの照射部位は以下の通りです。

【体の施術部位】

  • ・腕(手首や手の甲、指を含む)
  • ・足(足首や足の甲・足指を含む)
  • ・うなじから肩にかけて
  • ・胸(乳輪を含む)
  • ・背中
  • ・お腹(へそ周りを含む)
  • ・VIOライン
  • ・お尻

【顔の施術部位】

  • ・おでこ
  • ・眉間
  • ・眉上・眉下
  • ・ほほ
  • ・鼻まわり
  • ・鼻の下
  • ・もみあげ
  • ・フェイスライン
  • ・あご
  • ・あごの下

体への施術はVIOの粘膜部分を避け、顔については唇・鼻の中・目と目の周り・こめかみをそれぞれ避けて施術を行います。

光脱毛の料金相場

光脱毛の料金相場は、1回1部位あたり数千円〜数万円程度です。全身脱毛の場合、6回前後を目安に行うコース形式が多く、15万円〜30万円前後が目安になります。

キャンペーンや回数割引、学割などの適用になるとさらに安くなるほか、コースをすべて終えてからもう一度通い直すリピーターの方はリピーター割引が受けられる場合もあります。

光脱毛と医療レーザー脱毛との違い

光脱毛はサロンなどの一般の店舗で、医療レーザー脱毛は医師が在籍する医療機関でそれぞれ実施されています。ここからは、レーザー脱毛の特徴と種類、メリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。

レーザー脱毛とは

レーザー脱毛では、大きく分けて以下の3種類が使われています。

【レーザー脱毛の種類】

  • ・アレキサンドライトレーザー
  • ・YAG(ヤグ)レーザー
  • ・ダイオードレーザー

アレキサンドライトレーザーは波長が短く、弱い出力でもしっかりとメラニン色素に反応して毛根を破壊します。YAGレーザーは波長がもっとも長く、メラニン色素には反応しにくいものの肌の深層部までしっかりと照射できるため、埋没毛(埋もれ毛)にも効果を発揮します。

ダイオードレーザーはアレキサンドライトレーザーとYAGレーザーの中間の波長であり、産毛にも照射が可能です。メラニン色素にもちょうど良く反応するため、バランスの良い方法として用いられています。

レーザー脱毛のメリット・デメリット

レーザー脱毛は黒い毛にピンポイントで反応し、剛毛を中心に脱毛を行います。光脱毛で思うような抑毛・脱毛効果が得られなかった方も、レーザーであればはっきりと効果を実感しやすくなっています。

デメリットとしては、光脱毛よりも痛みが出る可能性があります。麻酔の効果をもつクリームやジェルをしっかりと塗布して刺激を和らげられますが、VIOのようにデリケートな部位は皮膚に厚みのある部位よりも痛みが出やすくなっています。

光脱毛とレーザー脱毛の比較

光脱毛は「フラッシュ」や「ライト」とも呼ばれている光線を照射して、脱毛や抑毛を図っていく方法です。痛みの程度もレーザーに比べるとわずかであり、男女を問わず幅広い年齢層が施術を受けられる方法です。

レーザー脱毛は医療レーザー脱毛とも呼ばれ、医療機関でしか取り扱いが許可されていない方法です。威力の強いレーザー光線を照射するため、脱毛はもちろん永久的に毛を生えなくさせることができます。

光脱毛と医療レーザーの痛みについて

光脱毛は、一般的に医療レーザーよりも痛みが少ないといわれています。しかし人によっては敏感肌でどの施術でも痛みが出る場合や、フラッシュ・熱に反応しやすい肌質の方もいるため、必ずしも痛みがまったく出ないというものではありません。

ここからは、光脱毛と医療レーザー脱毛それぞれの痛みについてチェックしていきましょう。

光脱毛

光脱毛は、毛に直接作用を与えるIPL脱毛をはじめ、バルジ領域や毛根全体に無理なく作用させる方法など種類が豊富です。肌や毛の状態との相性が悪いと痛みを感じやすく、たとえばIPL脱毛を黒ずみのひどい部分に行うと毛以外の黒い部位にも反応するため、皮膚全体が痛みを感じる可能性があります。

痛みを感じにくくするためには、自分の肌質や毛の状態に合った脱毛方法を選び、無理なく照射を繰り返していく必要があります。また、施術に際してしっかりとジェルを塗布し、肌を保湿してケアを行うようにすると、痛みが緩和されやすくなります。

医療レーザー

医療レーザーは医師が在籍している医療機関でのみ施術が許可されている方法です。レーザー光を使って直接むだ毛の部分に照射するため、人によっては痛みを感じやすくなります。

麻酔効果のあるジェルやクリームを塗布して行うため、施術そのものに耐えがたいほどの痛みは感じにくいとされていますが、神経が集中している顔まわりや粘膜の多いVIOについては、お尻や背中よりも痛みを感じやすくなっています。

>>> 業務用脱毛機の選び方!種類から選定基準までを解説

まとめ

今回は、光脱毛の特徴とメリット・デメリットを中心に、医療機関で行われている医療レーザー脱毛との違いを紹介しました。どちらも長所と短所があり、部位や回数に応じて金額が変動するものの、安全性を重視する場合は光脱毛がおすすめです。

ウィズアスでは、サロンの開業支援と集客・運用をトータルでサポートしています。業務用脱毛機の導入や新規開業についても提案させていただきます。マシンの費用や支払い方法、導入に関してもぜひお気軽にご相談ください。

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